仮締切防水シート工法 NETIS番号_KK200037-A

  • ・新開発の【フロート式プラットフォーム】を用いた仮締切工法【特許第6653839】
  • ・新開発の【防水ファスナー付防水シート】を用いた仮締切工法【特許第6664681】

概要

  • 1. 水中既設橋脚、護岸、水門等の補強工事においてライナープレート、その他の資材を用いた仮締切を行う場合、仮締切枠の現地組立作業には台船や橋脚周りにプラットフォームを組んで行うのが一般的です。

  • 2. 新開発のフロート式プラットフォームは、橋脚周りに組立作業に必要なプラットフォームを最小限のスペースで設置出来るようにスライド機能を持たせました。

  • 3. さらに、防水シートの採用によりこれまで仮締切材の組立時に使用していた止水パッキンを省き、防水シートによる止水が可能になりました。

  • 4. 仮締切防水シート工法は、コスト縮減、省資源、省人化、品質の向上、環境に配慮した工法です。

特徴

フロート式プラットフォーム

  • 1. 仮締切枠の組立に必要最小限のスペースを橋脚周りに設置します。

  • 2. 環状のプラットフォームに4箇所でスライド機能を持たせる事により、プラットフォームを分離する事無く拡張・収縮する事が出来ます。

  • 3. 既設橋脚側面にスペーサーを複数設置する事により、プラットフォームの動揺を抑制出来ます。

  • 4. プラットフォームの設置・撤去の作業時間が短縮します。

防水シート

  • 1. 防水シートを採用により、ライナー組立時に止水パッキンの挟み込み工程が無くなり、組立作業が簡素化します。

  • 2. 既存工法では、止水パッキンの使用でライナーの変形や整備に高額な費用がかかり仮締切材料を廃棄しましたが、防水シートの採用でライナープレートのリユース(再使用)が可能になりました。

  • 3. 防水シートの採用により、無駄を省き環境に配慮した施工が可能になりました。

水中部防水シート取付状況(止水処理後)

水中部防水シート被覆状況(引上げ展張)

アクアシールR(‘‘ビスロン’’ タイプの防水ファスナー)
"アクアシール"、"ビスロン"はYKK株式会社の登録商標です。

施工フロー・概略図

吊足場・吊治具設置

  • ・吊治具取付用の吊足場を橋脚周りに設置する。
  • ・吊治具を任意の位置にアンカーボルトで固定する。
  • ・吊治具に電動チェンブロックを取付ける。

フロート式プラットフォーム設置

  • ・橋脚周りの側面にフロート式プラットフォームの動揺を抑えるスペーサーをアンカーボルトで固定する。
  • ・スペーサーに沿わせてライナープレート組立用のフロート式プラットフォームを組立てる。

ライナープレート組立

  • ・フロート式プラットフォーム上にてライナープレート・補強リングを環状に3段(1.5m)程度に組立てる。

防水シート取付

  • ・防水シート(4m巾)の上部側から下部側へ巻取り、ライナープレートの上部に仮固定する。
  • ・補強リングとライナープレートの凹凸を無くすためのコンパネを環状に取付ける。
  • ・ライナープレートの補強リング(150H)外側に防水シート(4m巾) の最下部を環状に沿わせてブルマン等の固定金具で取付ける。

ライナープレート吊上げ+プラットフォーム拡張

  • ・電動チェンブロックのフックを補強リングの任意の位置に設置した吊環に掛ける。
  • ・約20㎝吊上げ、フロート式プラットフォームのスライド金具を規定の長さまで伸ばし拡張する。

ライナープレート吊下げ

  • ・フロート式プラットフォームの内側を環状のライナープレートを吊下げて降下させ、フーチング上に据付ける。

ライナープレート据付+止水コンクリート打設

  • ・縦梁・切梁を所定の位置に取付ける。
  • ・止水コンクリート用型枠を50㎝内側に固定する。
  • ・フーチング上に差し筋を樹脂アンカーで打設する。
  • ・水中不分離コンクリートを50㎝の高さで打設する。

プラットフォーム縮小+ライナープレート組立

  • ・フロート式プラットフォームのスライド金具を縮めてスペーサーに沿わせるように縮小して固定する。
  • ・再度、ライナープレートを3段(1.5m)程度組立てる。
繰り返し工程
※ライナープレートの設置高さにより複数回繰り返す。

プラットフォーム拡張+ライナー水中接続

  • ・電動チェンブロックのフックを補強リングの任意の位置に設置した吊環に掛ける。
  • ・約20㎝吊上げ、フロート式プラットフォームのスライド金具を規定の長さまで伸ばし拡張する。
  • ・既設のライナープレートの天端面と吊下げた下端面の距離が約10㎝程度で一旦止めてダイバーの合図により降ろして水平接続を行う。

縦梁・切梁取付

  • ・ライナープレートの接続が終了して規定の高さまで組上がれば縦梁・切梁を所定の位置に取付ける。

防水シート引上げ展張

  • ・防水シートの仮固定を解除して1枚づつライナープレートの上部(補強リング)まで引上げて固定する。
  • ・全ての防水シートが引上げられたら順次防水ファスナーを上部まで引上げて接続する。
  • ・防水シートを仮締切枠の外側面に展張して1枚物にする。

ドライアップ、仮締切設置完了

  • ・仮締切枠内に水中ポンプを据付けて排水する。
  • ・排水終了後、常時排水用のポンプを据付ける。
  • ・吊金具を撤去する。
  • ・フロート式プラットフォームとスペーサーを撤去する。

防水シート取付部 詳細図

防水シート気中取付状況

  • ・フロート式プラットフォーム上でライナープレートを3段目まで環状に組立てる。
  • ・補強リング(H型鋼)外面に防水シートの下端部を止水パッキン・帯鉄を挟み込み万力で固定する。
  • ・予め巻き取った防水シートを補強リングの2段目(上部)に仮止めする。
  • ・電動チェンブロックを玉掛けして約20㎝吊上げる。

フロート式プラットフォーム拡張

ライナープレート吊下げ

ライナープレート据付+止水コンクリート打設

  • ・縦梁・切梁を所定の位置に取付ける。
  • ・止水コンクリート用型枠を50㎝内側に固定する。
  • ・フーチング上に差し筋を樹脂アンカーで打設する。
  • ・水中不分離コンクリートを50㎝の高さで打設する。

ライナープレート組立完了

縦梁・切梁取付

防水シート引上げ展張

  • ・防水シートの仮固定を解除して1枚づつライナープレートの上部(補強リング)まで引上げて固定する。
  • ・全ての防水シートが引上げられたら順次防水ファスナーを上部まで引上げて接続する。
  • ・防水シートを仮締切枠の外側面に展張して全枚数接続して全面被覆する。